SAGA

鵜殿(うどの)の石仏群は、唐津市相知町鵜殿窟(うどのいわや)と称される断層岩壁に彫刻された磨崖仏(まがいぶつ)群。もともとは大きな洞窟であり、かつてはその中に平等寺が建立されていたそうです。お寺は焼失し、今では石壁だけとなりました。文禄3(1594)年に著された「鵜殿山平等院略縁起」によると、この石仏は空海が「漢土の霊窟にも劣るまじき法地なり」と彫刻したことがはじまりとされています。唐からの帰途ここに立ち寄り、弥陀、釈迦、観音の3体を彫ったとのことです。残念ながらこの3体は現存せずその真偽はわかりませんが、ここが真言密教の信仰の場であったことは間違いないようです。